『GOOD DESIGN AWARD 2010』発売

2010 年度のグッドデザイン賞を受賞したデザイン情報を網羅した年鑑『GOOD DESIGN AWARD 2010』が発売された。2010年度の受賞作約1000点、グッドデザイン大賞・金賞受賞デザイナーインタビュー、審査講評、受賞企業一覧などを掲載した、文字通り〝グッドデザイン〟の集大成となっている。

本年度より審査委員長に就任した深澤直人氏の「グッドデザイン賞をグッドデザインにする」というコンセプトを反映し、年鑑本体もフルリニューアルを敢行。年鑑の存在を「受賞したデザインを正確に美しく伝える重要なメディア」と位置づけ、700頁を超える堂々としたたたずまいの上製本に仕立てた。従来、1頁に8点掲載されていた写真は、2点となり、ゆったりしたレイアウトで受賞作1点1点を丁寧に見せている。

そのような意識は、造本の隅々にも表れている。例えば、受賞作の写真。掲載点数約1000点のうち約300点を写真家が撮り下ろした。それぞれの写真のトーンが異ならないよう、望月孝氏が全体のフォトディレクションを行った。撮り下ろしをしていない写真についてもトーンを揃えるため、ほぼすべての写真をレタッチで修正。隅々まで妥協のない調整が施された。

また、造本については、株式会社竹尾、日清紡ペーパー プロダクツ株式会社協力のもと、本書のために「sandesi」という紙を開発。ページ数が多いため、斤量を抑えつつも裏抜けしない白い紙が求められた。印刷はアイワードが担当し、写真部分には4色印刷の上からニスをひいた。表紙に巻かれた淡いグレーの布クロスも今回のために色染めされた特注品で、赤いGマークを紙で象嵌している(赤い紙をGマークの形に型抜きして布地に貼り込んでいる)。700頁を超える製本は、広辞苑などの製本を担当している松岳社が担当。造本のプロたちの技術が存分に生かされている。

こうした一連の制作は昨年11月に受賞作が決定してから行われ、先日3月20日に年鑑として刊行された。明快なコンセプトとそれを支えるプロの技術が結集してつくられた『GOOD DESIGN AWARD 2010』。実物の迫力をぜひ感じ取っていただきたい。

書名: 『GOOD DESIGN AWARD 2010』
発行: 財団法人日本産業デザイン振興会
発売: 株式会社宣伝会議
仕様:A4 変形判 上製本・布クロスカバー 704 ページ
ISBN978-4-88335-241-8  定価:26,250 円( 本体25,000 円+ 税)
制作陣 スーパーバイザー : 深澤直人、佐藤 卓
アートディレクション : 松下 計
チーフフォトグラファー: 望月 孝  ほか

https://www.g-mark.org/library/books/yb2010/index.html

カテゴリー: 特集記事   パーマリンク

コメントは受け付けていません。